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メモ帳

だからメモ帳だと言ってるだろう

3 一夜だけの関係

 先ほど、‪勉強していた僕の視界に、巨大なカマキリが入り込んだ。どうやら換気のために窓を開けていたときに、部屋に入ってきたようだ。グーグルで検索してみたところ、オオカマキリのメスらしい。こいつがなかなか可愛くて、僕のところに積極的に寄ってくる。手を近づけると乗ってきて、なかなか離れようとしない。頭を撫でてやる。それは気に入らないのか、僕の指を鎌で引っ掛けて辞めさせようとする。しばらく、彼女との触れ合いを楽しんだ。

 オオカマキリのメスは、交尾のときにオスを食べようとするらしい。本来そのような習性はないらしいのだが、出産のときにエネルギーが必要だからなのか、自分より小さく、弱いものを餌と認識するからなのか。オスも食べられたくないので、普通に逃げ出すという話も見た。異常なまでに僕に寄ってくる彼女を見ると、ひょっとして僕を餌として認識してるのではないか、そんな予感もする。

 思えば、生物からこんな熱烈なアプローチを受けるなど、いつ振りだろうか。秋の終わりに現れた蚊が最後だった気がする。彼女はまだ、僕の体の上でじっとしている。最近は一生独りでもいいと思ってたけど、今夜だけは、彼女と寝てもいい。そう思い始めた。